第60章 自ら飛び込んでくるとは!

井上颯人がまだ躊躇っているのを見て、山田悠子の眼差しが瞬時に冷え切った。

彼女は猛然と井上颯人を突き飛ばし、冷ややかな笑いを浮かべた。

「こんな期に及んで、まだあのクソめくらに未練があるっていうの!」

「井上颯人、私を何だと思ってるの? あんたの玩具!?」

さっきまで腕の中にあった温もりと柔らかな感触が消え、井上颯人の心臓は早鐘を打った。

彼は慌てて山田悠子をきつく抱きしめ、抵抗する彼女を甘い声でなだめた。

「ほら、また変な勘繰りをして」

井上颯人の瞳に憎悪が走った。

「確かに福田祐衣のことは考えていたさ。でもそれは、あいつの肉を削ぎ、血を啜ってやりたいほどの憎しみからだ!」...

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